フルーツ専門家が桃の美味しさの秘密を解説!さらに「福島あかつき もも」ジュースも本気のレビュー!




夏も近づき桃が旬な季節になってきましたね♪
そこで今回は大田市場にて、フルーツ定期宅配”果物の達人”の企画運営兼バイヤーを担当しているフルーツアドバイザーの原詩織さんから専門家の視点で桃の魅力の解説やアキュアメイド屈指の人気商品「福島あかつき もも」ジュースのレビューを頂きました!


桃はなぜ美味しいのか?
 

桃の魅力は、ジューシーな果肉、芳醇な香り、とろける甘さにあります。桃は、果物人気ランキングでも毎回上位の大人気の果物です。中国では、桃は神秘的、霊力のある果物と言われており、孫悟空が管理していた農園は桃園で、不老不死の食べものとして扱われています。日本でも、桃太郎の民話や桃の節句など、桃への信仰がありますね。

日本に桃が伝わった時期は、弥生時代初期か、それ以前と推定されています。本格的な栽培が始まったのは明治時代で、その後、品種改良を重ねることにより、甘くてジューシーでとろける食感の桃が栽培されるようになりました。「あかつき」は神奈川県平塚市にあった果樹試験場(現在の農研機構)で「白桃」と「白鳳」を交配して育成された桃です。

「あかつき」はもともと200gに満たない小玉傾向の強い品種でしたが、福島県が栽培方法を試行錯誤し、300gを越える大玉が収穫できる技術を確立し1979年(昭和54年)に品種登録に至ったそうです。そのため、あかつきは福島桃の代表品種となっています。さらに、袋掛けせずに栽培できる品種ということもあり、全国的にも栽培されるようになりました。「白鳳」や「川中島白桃」などと並んで主要品種の1つとなり、今では桃の栽培面積ナンバーワンの品種が「あかつき」です。

「あかつき」という品種名の由来は、福島県福島市に古くから伝わる伝統の祭り「信夫三山暁まいり」にちなんだ名前です。あかつきは他の品種や果物と比較して糖度が高く、甘みと酸味のバランスのよい品種です。


桃の美味しい食べ方講座

桃のカット方法は、まずは桃の割れ目に沿って切れ込みを入れます。

桃の左右をそれぞれ両手で持って、ねじるよう左右に動かして、種から果肉を外します。



片側の種を外し、3~4等分にくし切りにし、皮をむきます。



最初に皮をむいてしまうと、果汁で滑ってむきにくいので、カットしてから皮をむくのがポイントです。

【保存方法】
桃の旬は夏なので、室温の暑いところに置いておくと桃が傷んでしまいます。
保存は冷蔵庫の野菜室がおすすめです。食べ頃は、桃の枝がついている部分の色を確認します。青みがかっている時は、追熟(食べ頃まで待つこと)させてから食べるのがおすすめです。全体にピンク色や淡いクリーム色になったくらいが食べ頃です。桃には核割れと言って、桃の種の部分が割れていることがあります。このような桃は傷みが早いので、すぐに食べるのがおすすめです。

果物はよく冷やすと甘くなるといわれていますが、実際は果物の種類によって様々です。桃は冷やしても甘く感じない果物です。そのため冷蔵庫から出して30分くらい置いて少し常温に戻してからカットして食べるのがおすすめです。

新鮮な桃の見分け方は、固い桃、産毛がしっかりと立っているものが新鮮です。収穫したての桃は固く、収穫後は時間がたつにつれて果肉が柔らかくなっていきます。
桃の旬は6月から8月にかけてピークとなります。ちよひめ、はなよめなどの早生品種は5月から出始めます。日川白鳳、白鳳、加納岩白桃、浅間白鳳、あかつき、清水白桃、なつっこ、川中島白桃と早生品種から晩生品種へと品種がリレーしていきます。早生品種は全体的に果肉が柔らかくジューシーで、晩生品種に切り替わるにつれて果肉は弾力のある固めの品種になります。あかつきはその中でも晩生品種になり、もちっとした食感と桃のジューシーさがおいしい桃です。


桃に含まれる栄養について
 
桃に含まれているビタミンに、ビタミンEがあります。(1.4mg/200g)ビタミンEは、糖尿病、動脈硬化、アルツハイマー病などの生活習慣病や老化の予防の予防効果があります。ビタミンEの1日の摂取目安量は8㎎なので、桃を1個食べるだけで、2~3割のビタミンEを補えます。
ナイアシンは桃には、1.2mg/200g含まれています。ナイアシンは多くの酸化還元反応に関与する栄養素で、ビタミンB2と同じような役割を果たし、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する効果があります。
食物繊維は、桃に2.6g/200g含まれ、特に水溶性食物繊維であるペクチンが多く含まれていいます。桃に含まれているペクチンには、水溶性と不溶性の両方が含まれています。水溶性のペクチンはコレステロール正常化作用や不溶性のペクチンは便のかさを増すため腸内細菌叢改善作用があります。
食塩などに多く含まれているナトリウムを過剰に摂取すると高血圧の原因となりますが、カリウムを多く摂取することで、このような疾患の予防に役に立ちます。また、カリウムはむくみにもよく、桃にはカリウムが360mg/200g含まれています。カリウムを多く含んでいるのでカリウム摂取にぴったりの果物です。夏場は、汗などでカリウムが失われやすいので、夏が旬の桃を食べることで夏バテ予防にもぴったりですね。


専門家おすすめの桃を大公開!

【白鳳】
 
桃の特徴として、芳醇な香りと甘みがあります。また、早生から晩生に品種リレーするにつれて、果肉の硬さが変化していきます。日川白鳳、白鳳などの早生の品種はみずみずしい果肉が特徴的です。収穫後は柔らかくなるのが早く果肉はきめが細かく滑らかな食感です。糖度は11~12度です。


【清水白桃】
 

清水白桃は、岡山県を代表する白桃品種です。果肉は繊維が少なく滑らかで、日持ちがしないため早めに食べたい品種です。あかつきは、固めで適度な歯ごたえの果肉は、果汁が多くジューシーです。糖度が12~14度と高く、栽培面積がナンバーワンの人気の品種です。


【あかつき】
 
福島を代表する品種であるあかつきは果皮の色が全体的に桃色で果肉は白っぽいクリーム色の中に薄い紅色が混じっているのが特徴。密度ある肉質で食感もしっかりとしており日持ちします。また、大玉で産地をあげて糖度センサーを導入しているため、糖度が安定しはずれの無い桃を出荷しています。


【川中島白桃】
 
川中島白桃は、晩生の代表品種で、シャキッとした歯ごたえの桃です。糖度は13~14度と日持ちのよい品種です。


【黄金桃】
 黄金桃は川中島白桃から偶然発見された、皮、果肉ともに黄色で、しっかりとした固さの品種です。とろっとした食感と濃厚な甘みが特徴で、糖度は13~14度です。


【桃チャート】
 

「白鳳」は、比較的早生の品種で果肉がジューシーで柔らかく、嚙んだ時に果汁がじゅわっとあふれてくる桃です。糖度は11~12度で一般的な桃の甘さです。「清水白桃」はきめ細かな果肉と、白色の上品な見た目と甘さで、高級な桃として贈答品に人気があります。「あかつき」は「白鳳」と「白桃」のかけ合わせの品種になります。白桃を代表する品種「川中島白桃」は晩生品種で、シャキッとした固さと13~14度の糖度の高さが人気の桃です。「あかつき」は「白鳳」と「白桃」の良いところ取りのバランスの良い桃で、適度な歯ごたえの糖度は13度前後の高い桃です。「黄金桃」は、「川中島白桃」の突然変異で果肉の黄色い桃です。白桃に似た果肉の固さと、酸味がなく濃厚な甘み(糖度13~14度)が特徴です。


桃の旬は1つの品種で10日程度と短いため、様々な桃が品種リレーをし、7~9月の約3か月間続けておいしい桃を食べることができます。それぞれの品種に特色がありますが、果肉の柔らかさによって桃の品種の移り変わりを楽しんでもらえたらと思います。



桃のストレート果汁100%の「福島あかつき もも」ジュースは一度飲んでみる価値あり
 

桃の果汁飲料といえば、ねっとりとした甘みをイメージしますが、この福島あかつき桃ジュースは、桃そのままの味わいが楽しめます。一般的な桃の果汁飲料は飴のような甘さがあるものも多いですが「福島あかつき もも」桃ジュースは桃のストレート果汁100%なので、桃本来の甘みと果実そのままの風味を感じました。後味もしつこくなく、ベトっとした甘みが残らない感じのスッキリとした後味が印象的です。
今までの桃果汁飲料では桃の甘さは表現できていましたが、この「福島あかつき もも」ジュースは、香りが豊かで、味わいが甘さだけでなく桃本来のうまみを感じさせてくれます。桃そのもの味わいに近く、桃をそのままごくごく飲んでいるかのような味わいです!濃すぎない甘さがおいしく、ほのかな酸味もあり、本格的でおすすめの桃ジュースです。

まとめ
フルーツの専門家としては、やはり生の桃をカットして、果肉や果汁感、甘み香りを味わってほしいですが、生果はカットするという手間もあります。そんな中で、手軽に桃本来の濃厚な味わいや甘さを楽しめるのが「福島あかつき もも」ジュースではないでしょうか。


原 詩織/フルーツアドバイザー


山梨大学大学院卒。 ワイン科学研究センターに所属し、ブドウの育種、ワイン醸造、乳酸菌について学ぶ。 
千葉の造り酒屋に蔵人として半年間勤務。 大田市場直送のフルーツの販売を2年半経験。 
現在は大田市場にて、フルーツ定期宅配”果物の達人”の企画運営兼バイヤーを担当。 
また、一般社団法人FRUIT LOVERS LIFEを立ち上げ、フルーツをもっと楽しんでもらえるように、生産者と消費者を繋げるイベントを開催(2~4回/年)。
現在は、大田市場でフルーツのバイヤーをしつつ、砂町銀座商店街近くの青果店「森田セイカ店」店長をしている。